汚れの種類に応じた「歯のクリーニング」
一概に歯のクリーニングと言っても、汚れの種類に応じた適切な方法があります。
1. 歯垢(プラーク)
染め出しを行った際に、赤く着色する部分が歯垢(プラーク)です。 比較的新しく付着したもので、丁寧な歯磨きで除去することができます。普段磨けていないところが上手に磨けるように歯磨き指導をしていきます。
2. バイオフィルム(歯垢が長期間滞留したもの)
染め出しを行った際に、青く着色する部分がバイオフィルムで、長期間付着した状態で膜を張って、歯磨きでは容易に除去することができません。PMTCという手法で一度除去することをお勧めしています。
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3. 歯石(歯垢が石灰化したもの)
歯垢が付着して2〜3日で石灰化が始まります。歯石は歯ブラシで落とすことはできませんので、歯周病治療の一貫としてスケーリング(歯石取り)を行います。
4. 着色(茶渋、ヤニなど)
コーヒー・紅茶・お茶などの色素沈着、タバコのヤニ、歯の表面のステイン(着色)は、歯磨きでは除去することができません。エアフローをお勧めしています。
5. 変色
歯の外側からの「着色」ではなく、歯そのもの(エナメル質・象牙質)が加齢によって「変色」している場合、エアフローではキレイにすることはできません。薬剤を使用して歯そのものを漂白するホワイトニングが効果的です。
治療から予防へ
これまでの歯科医院は「歯に穴ができて痛くなったら通う場所」「歯がグラグラになってきたら通う場所」と思われてきました。そこで働く歯科医師も「虫歯を削って詰めて」「歯を抜いて入れ歯を作って」という事後的な仕事が最大の患者さんへの貢献だとこれまで思ってきました。
しかしながら、自分の歯で美味しく食べる、自分の歯で気兼ねなく話して、笑うといった生活の質(Quality Of Life)を向上させようという考えが日本の歯科医療においても台頭し始め、今では「予防」という概念が大きな位置を占めようとしています。
スウェーデンを初め北欧諸国は予防歯科の先進国と言われています。スウェーデンでは1970年代から国を挙げて「予防歯科」への取り組みを行い、明らかに大きな成果を上げてきました。
日本歯科医師会でも予防の重要性を患者さんにPRするために「よ坊さん」なるキャラクターを登場させたり(子ども向き)、歯の情報誌を刊行(大人向き・バックナンバーも含め見ることができます)したりしています。
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