まずはじめに、口の中をきれいにしますとか、歯を磨きますと声かけを行います。つぎに歯ブラシで歯の外側を磨きます。歯の噛み合うところと内側、さらに舌も、声かけをして口を開けている間に手早く磨くようにします。それでも噛みつかれる場合は、粘膜を傷付けないように注意して、開口器やバイトブロックを使用します。
『マイクロスコープ』
歯ブラシは、口の中で動きやすいようにヘッドが小さくネックの細いもの、歯肉に当たっても痛くないやわらかい毛先のものを使用します。歯磨き剤は使用しません。歯肉や頬の粘膜、上顎の汚れはスボンジブラシや巻綿子(割りばしに綿を巻きつけたものでよい)でぬぐうようにしてとります。
うがいができないことが多いので、イソジンガーグル液を浸した巻綿子や手袋をした上でガーゼを巻いた指で口の中をまんべんなくぬぐいます。できれば、ぬるめのお湯や薄く溶いたうがい液を用いて、洗浄、吸引を繰り返すとよいでしょう。痴呆や日常のコミュニケーションに障害を持つお年寄りは、痛みを伝えたくても、話すことができなかったり、体が自由に動かないためにうまく伝えられません。お年寄りが感じている痛みの程度を客観的に知ることはできないので、痛みがある時にお年寄りが出す何らかのサインを見逃さないように観察する必要があります。
『エアータービン』.
痴呆があったり障害を持っているお年寄りは、口腔ケアが十分できないために,虫歯や歯周病が多く見られます。介護者が口の中の状態を把握するのは難しいので、治療が困難でも、定期的に歯科医に見てもらって、いざという時の対応がスムーズになるようにしておくことが重要です。
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