結論から言えば、X線画像で示したケースはアバットメントの”緩み”による上部構造(セメント固定タイプ)の動揺、もう1症例はアバットメントと上部構造とを連結するスクリューの”破折”に起因するものであった(スクリュー固定タイプ)。
いずれのケースも問題となったパーツを、新たな部品に変更することで再びインプラントを使用することが可能となった。『
カートリッジ』
このスクリューにまつわるトラブル、これまでの臨床経験からいえば頻繁に発生するわけではないが、一定数のケースを診ている場合、起こりうる問題としては決して珍しいものでもない。
ネジ(スクリュー)の緩みが何故起こるか?については、いくつかの要因が考えられている。
締付けによって、ネジ軸部に発生している引張力と被締結体に発生している圧縮力により一体化されている。これらの力は、ねじ締結体に外力が作用していない時は、互いにつりあっており、その状態を「予張力」と呼ぶ。ネジ締結後の予張力が、その機能下において何らかの原因で低下することがある。この予張力低下を「ネジの緩み」という。
PR