歯の痛みの最も多い原因はむし歯ですが,その原因となるむし歯菌についてあまり知っている人はいないようです。また歯周病(歯槽膿漏)も同じく細菌が原因です。ここでは,むし歯と歯周病の細菌について2人の先生に解説していただきます。
『歯科用品』
近年,イヌやネコはペットからコンパニオンアニマル(伴侶動物)と呼ばれ,家族の一員と考えられるようになってきました。そのためヒトとの接触がより密になり,自分のお菓子を分け与えるヒトも稀ではなくなったその結果,ヒトのむし歯菌がイヌやネコに移るのではないか,あるいは自分の飼っているイヌやネコにもむし歯菌がいて,甘いものを食べることで,ヒトと同じように虫歯ができてしまうのではないかと不安に思っている人も少なくないと思います。
昔からイヌやネコにむし歯がないのは,歯が円錐形で,歯と歯の間が空いているためとされ,歯の形態がむし歯になり易いか,否かが重要とされてきました。そこで,実際にイヌやネコの口の細菌を調べてみたところ,イヌやネコにはヒト口腔内にいる菌とは全く異なる菌が多く住み着いていることがわかりましたが,固有のむし歯菌は見出されませんでした。
ですから,イヌやネコにむし歯があったといわれる場合は,おそらく歯が欠けた後に黒くなって,いかにもむし歯のように見えたものと思われます。余談ですが,むし歯菌はいないのに,ヒトの歯周病菌といわれているのと同じ仲間の細菌がイヌやネコには生息しています。
同じように尖った歯をもっているコウモリのうち,糖分を含むフルーツを主食にしているコウモリには固有のむし歯菌が存在します。実際にむし歯になっているか口の中をよく調べたことはないのでわかりませんが,むし歯になる程の砂糖は取っていないようです。
家畜のブタは離乳時に比較的砂糖の多く含まれた飼料を与えられているので,この時期に固有のむし歯菌が口腔にたくさん生息しています。しかし,それ以後に与えられる飼料には砂糖が殆ど含まれていないため,むし歯菌は検出することができない程減少してしまいます。砂糖の影響がいかに大きいのかよく解ります。
もちろん野生のイノシシにもブタと同じ菌種のむし歯菌が生息しています。さらに,異なる地域にいるイノシシからも同じむし歯菌が検出されたことから,日本のどのイノシシにも同じような固有のむし歯菌がわずかながら生息していると思われます。
『小型エアーコンプレッサー』
一方,ハチミツの大好きな野生のクマの口腔にも固有の虫歯菌が生息しており,毎日のように果物を食べている動物園のゾウにも多くの固有のむし歯菌が生息しています。そのほか,レッサーパンダや草食のウマやロバにも固有のむし歯菌が存在しています。.
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