平成23年歯科疾患実態調査では,無歯顎(歯をすべて喪失した顎)について,1981年(昭和56年)から平成23年(2013年)までの調査結果をまとめてデータ化してある。
今日は先の「全部床義歯」についての補完の意味で,この「無歯顎」について見てみてみる。
■無歯顎者の調査年次推移
1981年(昭和56年)から2013年(平成23年)までの各調査年における年齢階級別の無歯顎者の割合(各年齢階級別の調査対象者総数に対する割合)を下グラフに示した。
調査年が新しくなるにつれ,各年齢階級においても無歯顎者の割合は減少し,折れ線のグラフはきれいな線形グラデーションを示している。
平たく言えば,残存歯を有する人が増え,無歯顎の人が少なくなってきていると言うことだ。
スライド1
年齢階級:80ー85歳における各調査年の無歯顎者の割合を下図に示した。
右肩下がりに減少していることがわかる。
スライド2
スライド3
上図は昭和56年(1981年)と平成23年(2013年)における年齢階級別の無歯顎者の割合を示した。
無歯顎者が増加する年齢階級は昭和56年では35-39歳,平成23年では55-59歳であり,年齢階級80ー85歳における無歯顎者の割合は各々65.3% 21.3%であった。
この約30年の間に歯の無くなる時期が20歳も遅れ,また,80ー85歳の時点ではその比率がおよそ3分の一に減少している。『
歯科用オートクレーブ』
歯科領域で一般的に公表される年次推移のデータとしては,”残存歯数がこれだけ増えました”というものが多い。よって,このように無歯顎者の推移に絞って見てみると,かなりドラスティックな減少をしている印象を受ける。
この飛躍的な改善結果は,国民の口腔に関する健康意識が高まったこと,さらに我々,先達の人たちの努力の賜であると思われる。
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