さらに肝硬変、肝がんなど重い病気に進む危険性が高まる。
脂肪肝の段階でむくみやだるさ、食欲不振などを訴える例は少なく、健康診断時の血液検査などで分かるケースが多いという。脂肪肝はAさんのようなアルコールが原因となるタイプと、非アルコールタイプがある。
アルコールを摂取すると、肝臓で分解され「アセトアルデヒド」という物質ができる。
また「エンドトキシン」という腸内細菌が腸管を通って肝臓に達しやすくなる。
「この2つが引き金となり、肝臓で免疫過剰などの反応が起こり、炎症や細胞の壊死(えし)などをもたらす」と福井教授は解説する。
アルコール性の脂肪肝から炎症を起こす人は国内に500万人以上いるとみられている。
対策は深刻な病気になる前に飲酒量を減らすことだ。
肝機能を示す代表的な「γ―GTP」という数値は、禁酒して2週間もすればかなり改善するという。
ただ、お酒を控えるのが良いと頭では分かっているものの、なかなか実行が難しい人も多い。『
マイクロスコープ』
福井教授は「禁酒して体の調子が良くなると大量に飲んでしまい、また悪化するという繰り返しが多い。摂取量を減らすよう心がけるのが現実的だ」と助言する。
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