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インプラント治療の偶発症2 数ある「アバットメント」を整理する

前回、歯科インプラントにおけるフィクスチャーおよびアバットメントは、高度管理医療機器にクラス分類されることを説明した。
インプラント基本構造
繰り返しにはなるが、これは、GHTF(Global Harmonization Task Force on Medical Devices)ルールに則り、人体等への危険度に応じ4種類に分類される。体内に留置して不具合が生じた場合、生命に危険を及ぼす可能性が高いものをクラスIV(高度管理医療機器)、体に接触しないか、接触時間が短時間のものなど危険度の低いものをクラスⅠ(一般医療機器)として、改正薬事法(2005年施行)に基づいて旧来の分類を再編している。
国内において、高度医療機器(クラスⅢおよびクラスⅣ)については、大臣(医薬品医療機器総合機構による審査)による承認なくして製造・販売することは法的に認められていない。
承認申請に関しては、申請医療機器の種類別に、
1)臨床試験あり
2)承認基準あり臨床なし
3)承認基準なし臨床なし
4)管理医療機器承認及び認証基準なし
の基準が設けられている。
歯科インプラントは、上記2)に相当し、薬事認証を受けるためには、その承認基準をクリアすることが必須となる。
この承認申請基準(ガイドライン)の詳細については、厚労省のホームページにアップされ自由に閲覧、ダウンロードすることができる(下記画像)。
インプラント承認基準
少し目を通すと、当たり前のことではあるが、申請するインプラントに関し、その組成、化学・物理的性質、機械的特性(疲労試験・曲げ強さ等)などの項目について細部にわたり報告することが義務づけられていることがわかる。
承認基準各論
一般的に、取り決めごとには、その解釈の仕方により何かと疑義が生まれる。
このインプラントの承認基準に関しても、疑義解釈資料(Q&A書類)が交付されている(下記画像)。
承認疑義解釈
この資料(Q&A書類)を見てみると、用語解説をより明確にするため、図示により説明してあるページがいくつかある。
下記画像は、アバットメントの一例(”歯科用インプラントアバットメントの1品目の範囲(事例)”)である。
アバット承認図一覧
同じ「アバットメント」という言葉が使われているにも関わらず、姿形が違うものが幾つもある。
既述のとおり、インプラント治療におけるアバットメントとは「人工の歯(かぶせ)を取り付けるための土台(狭義の説明)」であるが、製造メーカー、インプラントシステムの違いにもよるが、臨床で利用するものには非常にたくさんの種類がある。
下記画像は、ノーベルバイオケア社が提供する補綴治療用マップである。
文庫本のサイズと比較すれば明らかであるが大きな用紙に、様々なタイプのフィクスチャーとこれに対応するアバットメットが示されている。用紙記載は裏表あり、その種類の多さがわかると思う。
ノーベルマップ『パルスオキシメーター
おそらく、実際、治療を受ける患者さんには、これらの違いは皆目検討がつかないに違いない。
しかしながら、このアバットメントは、体におさまり、上述のとおり医療機器でもリスクの高いものに指定されていることからも、これを良く理解しておくことは、極めて重要かつ意義のあることと思われる。
今回は、前記事同様、寄り道として、「アバットメント」を少し整理し説明してみたい。
例えは少々違うが、木々を見る前に森の全体像を知っておけば迷いは少ない。
「迷ったときには原点に戻れ」の教えのとおり、
そもそも「アバットメント(abutment)とはなんぞや?」を考えてみると、理解の道筋がたてやすいかもしれない。 
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