図は,ウィンドウレベルを一定(WL:1000)にして,ウィンドウ幅(WW)を変化させた場合です。
向かって左側の画像と右側の画像を比べればよくわかりますが,WW幅の狭い左側の画像の方が,右側のものと比べて黒い部分と白い部分の差(濃淡差)がはっきりしている,つまりコントラストが良いことがわかります。しかしながら,左側の画像では顎骨の周囲の軟組織を示す淡いグレーの色調がぼんやり見えているのに対し,右側では認識できる程度にはっきりグレー色があらわれています。これは,観察できるCT値の範囲,すなわち臓器の種類が変化していることを示しています。『
歯科タービン』
ウィンドウレベル(WL)の変化
次はウィンドウレベル(WL)を変化させた場合です。
一般的にウィンドウレベルを操作することによりCT画像の濃淡が変化します。ウィンドウレベル(WL)を上げることにより画像濃度は黒く なり,ウィンドウレベルを下げることにより画像濃度は白くなります。
下図に実際にウィンドウ幅(WW)を固定(WW=4000)して,ウィンドウレベル(WL)を変化させた場合の例を示しています。適切な階調表示された画像に比較して,ウィンドウレベル(WL)を下げた場合には白く,逆に上げた場合には黒い輝度中心の画像になっているのがわかります。
WL変更
このようにウィンドウ機能により,画像の濃淡,階調度は自由に変更,コントロールできます。やみくもに濃度を変化させるのではなく診断が必要な臓器・疾患にターゲットを絞ったウィンドウ設定が重要になってきます。別の言い方をすれば診る対象となる臓器のCT値を把握しておけば,その読影に幅がでてくるともいえます。『
ハンドピース』
次回は,このCTウィンドウ機能と単純X線撮影における階調を変化させることの具体的な違いについて触れる予定です。
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